2012年09月28日

【善悪逆転論】太陽神アトン(アテン)の正体@

エジプト文明の始祖は「エジプト」である。
ノアの大洪水後、ノアには3人の子がいたが、
その中のハムの4人の息子の1人が「エジプト」で、
エジプト文明(ハムメ―ソン)の祖となり、それが地名となった。

古代エジプトは多神教文化で、
ファラオは最高神である「太陽神アメンの子」とされていた。
ところが、紀元前1377年、第18王朝の時代、
アメンホテップ4世がファラオに即位すると、宗教改革に乗り出した。

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アメンは本来「嵐の神」で、シュメール神話の主神マルドゥクと同一神。
それは、カナン神話の主神で「嵐の神」でもあるバアルとも同一神である。
マルドゥクもバアルも竜を倒す牡牛の姿で象徴され、
それは日本神話の暴風雨の神で牛頭天王と呼ばれる「スサノオ」である。

さて、アメンは太陽神ラーと習合して「アメン・ラー」となった。
アメンホテップとは「アメンは満足している」という意味で、
アメンホテップ4世もアメン・ラーを崇拝したファラオだった。

ところが突如、アメン・ラーの信仰を放棄し、他の全ての神々をも否定した。
そして、「アトン(アテン)」という新たな唯一太陽神を掲げ、
自らの名も「アクエンアテン(アトンの生ける魂)」と改名した。

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アクエンアテンは、歴史上初めての一神教徒と位置づけられているが、
息子ツタンカーメンの時代に再びアメン・ラーを主神とする多神教に戻り、
アトン一神教はアクエンアテンの一代限りで幕を閉じた。

長いエジプト史の中で、いや、シュメール以降の人類の歴史の中で、
「アトン一神教」は異端だったということになるが、
それを受け継いだのがユダヤ教であり、
そこからキリスト教とイスラム教が派生したことは周知の事実である。

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さて、アトンとは、アクエンアテンが勝手に作った神ではなく、
エジプト神話に於ける原初の唯一神アトゥム(アトム)である。
即ち、天地創造の絶対神である。

『古事記』でいうところの「天之御中主神」であり、
『日本書紀』でいう「国常立尊」であり、
ヒンドゥー教でいう「ブラフマー」に対応する。

それらを「=」で結びつけるのは早計だが、事実上、
「原初の唯一神」という意味では同一神ということになる。
即ち、「アトン一神教」ということだが、それを即、
アクエンアテンのアマルナ改革と結びつけてはならない。

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まず、エジプト神話はアトゥムを原初の唯一神としているが、
それは「創世記」を語っているのであり、
初期エジプト文明が「アトゥム一神教」だったわけではない。

アトゥムは「完全な者」という意味だが、
万物を「存在させる」という意味で「ケプリ」とも呼ばれた。
そして、地球上の生物を存在させる太陽を
唯一神アトゥム(ケプリ)の象徴として、
その光の属性から「輝き」を意味する「ラー」と呼ばれた。

「アトゥム=ケプリ=ラー」

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この3つの側面から太陽三神の概念が生み出され、
それぞれを日の出、天空、日没に当てはめられた。

「日の出の太陽神アトゥム」
「天空の太陽神ラー」
「日没の太陽神ケプリ」


この原初の太陽三神から無数の神々が生み出されたのが、
古代エジプトの多神教である。
その中で、嵐の神「アメン」が天空の太陽神「ラー」と習合し、
この「アメン・ラー」が最高神とされて、歴代の王ファラオはみな
「アメン・ラー(通称:アメン)の息子」と考えられてきた。

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もちろん、アトゥムも太陽神の属性の1つとして信仰されていたが、
アクエンアテンはその原初の唯一神(宇宙創造神)のみを崇拝し、
他のあらゆる神々を排除したのだった。
ここに史上初の一神教が誕生したのである。

アクエンアテンが考えた最高神「アトン」……それは獣にはよく分かる。
まず、最高神は原初の唯一神である「アトゥム」であるべきである。
そのアトゥムは太陽として象徴されていたが、
その太陽神の属性を整理し、嵐の神アメンを排除したのだ。

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古代エジプトの神々は、頭が鳥や動物だったりするが、
基本的に人間の姿で描かれている。
ところが、アトンの姿は円盤で、そこから数多くの手が伸びている。

つまり、アトゥムを純粋に唯一の太陽神と位置づけ、
その本質を太陽(円盤)から放射される光(無数の手)、
即ち、太陽神ラーを「アトン」と呼んで宗教改革を行ったのだ。
要するに、太陽の光(エネルギー)を原初の唯一神アトゥムと定め、
「アトン一神教」を立教したと考えて間違いないだろう。

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「神の実証は太陽である。
太陽に神力を集中しておられるから、
太陽を見れば神の存在は判るのである」

(出口王仁三郎)

また、天照大神の信仰を説いた黒住教も、
純粋な意味で「アトン一神教」だと言えるだろう。

太陽瞑想をして天照大神を信仰する獣も「アトン教徒」だと言える。
「信仰」と言っても、一般的にいう信仰とは全く異なるが……。
何故なら、獣自身(真我)がアトンだからである。

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古代エジプト人が次々と考え出した迷信じみた多神教を一掃し、
信仰の原点に立ち返ったアクエンアテンの勇気ある行動は、
高く評価するべきだと獣は思っている。

だが、良くも悪くもアマルナ宗教改革は、
その後の人類の歴史に大きな影響を及ぼすことになった。
究極的には「良い=悪い」だが、まずはここまでの歴史と
太陽神「アトン」の本質について理解してもらえただろうか。
posted by ZERO at 00:35| Comment(0) | 歴史・アカシック修復 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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